私は久遠厨である

私は久遠厨である。名前はあるがここでは伏せさせてもらう。生まれた場所は大阪である。酷く忙しない街で人々の喧騒に目眩がした事だけは忘れようもない。私はここで初めてVtuberなるものを見た。しかも後で聞くとそれは「御来屋久遠」と言う配信者で一番の歌…

Restructure the world

大層なタイトルをつけてしまったものの別に大したことはしません(笑)。 皆様どうもお久しぶりです。 私でございます。 本日、9月3日で「鳶もに」という名前での活動(?)が1周年になりました。 「いやー、長くて短い1年でした…」みたいな挨拶は割愛して、(そもそ…

大正異聞奇譚4

ある休日の日。 父を手伝い、店番をしていると工房から父が出てきて声をかけられた。 「これを届けるのにちょっとついてこい。」 「届けるだけなら1人で行って来るけど?」 「いや、ついてくるだけで良い。お得意様だからな。自分で出向いて渡したいんだ。」 父に…

大正異聞奇譚3

「それで──何か用じゃったかの?」 そう問いかける久遠嬢の琥珀のような爛々とした目が私を貫いていた。 「貴方と似た人を見たことがあったもので…。うるさくしてすいません。」 「わしに似た者とな!しかし、世の中にはそっくりさんが3人は居ると聞くしのぉ。…

はじめまして

はじめまして! って挨拶文を書くのも2回目ですが… ペンネームとして「黒凧」を使っていますが、ツイッターでは「鳶もに」として活動してます。 この度(ってだいぶ日にちが開きましたけど)、私の推し、久遠ちゃんが二次創作小説用のハッシュタグ「#御来屋書庫」…

始点

「〇〇も中学生になったらスマホ買ってあげる」 「3年も先の話やん…」 3年後、初入手したスマホ。 世界は大きく広がった。 ウェブサイトが見られて、SNSも出来る。 私は好奇心の赴くままに動いた。 その1つがゲームだった。 ゲームは男子中学生にとって昨日…

大正異聞奇譚2

「ん…ううん……寒っ」 あまりの寒さに身を起こす。外は地平線が白んでいて、もう朝のようだった。 昨日の夜、あの後も色々と試してみたものの手がかりは得られなかった。「御来屋」も考えてみたけれど何処で聞いたかは分からなかった。むしろ気のせいかもしれ…

大正異聞奇譚 1

「は、はっ…はぁっくしょい!!」 寒さで思わずくしゃみが出た。3月でもまだ寒く外套を着ていないと肌寒い。 「大丈夫かよ〜、相変わらず貧弱だな〜」 隣で背の高い筋肉質の男がヘラヘラと笑う。 彼の名は桑原 建御。隣の家に住む同い年の友人だ。幼い頃(こちら…

大正異聞奇譚 -序章-

大正23年。聞きなれないだろう。 話を遡る、否、進めること86年。 2020年のある日の事だ。 私は高校を出て、帰宅の途中だった。 路地裏の坂道を自転車で気持ち良く下っていた時、空き家の前を通りかかると、埃をかぶった振り子時計が棄てられていた。それは…